2025年7月29日火曜日

 【令和7年度 幹部職員研修会】


 今年度も法人研修委員会による研修会が始動しました。研修総合テーマを「一人ひとりの愛を育み しあわせな福祉を未来に~釧路愛育協会が持つ真心の継承~」とし、職員の資質向上・職場定着をめざすことを目的として開催しています。


 ●幹部職員研修テーマ

 「行動基準・価値観の共有

        ~われわれのすべきことについて理解を深める~」

 



 釧路愛育協会における行動基準とは、それぞれがもつ別々の価値観の中、法人職員として最低限持つべき価値観を明記し、そこから導き出される行動の基準を定めるものです。社会福祉法人としての使命を果たすうえで必要不可欠な適切かつ倫理的な姿勢・誠実さ。これらの基本的な姿勢を土台としながら、もう一歩先を見据えた実践に焦点をあてていきたい。職責や立場にとらわれることなく互いの専門性を尊重し発揮できる、常に前に進む集団を目指していきたいという思いが込められています。


 開会式では和田 敏幸理事長より、この行動基準を定めるに至った経緯や理由についてのお話がありました。社会福祉法人としての公共性・公益性を改めて認識し、職員一人ひとりが倫理観と専門性をもって行動することの重要性、そして地域から信頼される法人であり続けるために、価値観や判断基準を共有していく必要性が語られました。


 講演では髙橋 功成常務理事より、【共有すべき4つの価値観】および【価値観に基づく7つの行動基準】の説明がなされ、これらがどのような背景や思いから導き出されたものか、具体的な場面を交えながら丁寧に語られました。

 日々の業務の中で、職員一人ひとりがどのように判断し行動していくのかの指針になるものとして、自分の実践に自信がなかったり迷ったりした時に立ち返ることのできる拠り所となるものであり、『こうあらないといけない』ではなく『こういうところを目指して行こう』という前向きな考え方であるという事や、またこのような取り組みが支援の向上・チーム全体の底上げにも繋がっていくことなどが伝えられ、出席した幹部職員も真剣なまなざしで耳を傾けていました。


 続く演習では5つのグループに分かれて、【行動基準を活用し、われわれがしていくこと】【行動基準と照らし合わせて自分に足りていること・足りていないこと・今後の意気込み】などについて活発な意見交換が行われました。

 約1時間にわたるグループワークでは、現場での具体的な視点や課題意識が次々と共有され、どのグループからも支援・保育教育の専門職としての高い意識と姿勢が感じられる内容ばかりでした。

 幹部職員としての経験や思考の深さが随所に表れ、まさに「さすが」と感じされられる充実した時間となりました。



 最後に…

 「これまでの経験の中で、チームづくりの難しさを痛感する場面に何度も直面してきました。ときにはチームが分裂し崩れてしまうこともありました。だからこそ、みんなと繋がっているひとつのものを持ちたかった。」という常務理事の思いは、とても切実で胸に響くものがありました。

この行動基準があったとしても、必ずしも全てがうまくいくとは限らない。それでも、この4つの価値観を土台にしながら、価値観を体現している人の意見には耳を傾け尊重していこうという姿勢が大切だと伝えられました。また、この行動基準は仲間を称賛し合うための“道具”としても活用してほしいという願いも込められています。

 こうした考え方は理事長と常務理事の間で自然と一致し、今回の研修を通じて幹部職員にも共有されました。

 今後はこの価値観と行動基準が全職員へと広がり、それぞれが共通の土台を持ちながら、仲間とともに更なる高みを目指していける集団として取り組み続けていきたいと思います。

2024年12月4日水曜日

【令和6年度 職員研修会】


 釧路愛育協会では、法人研修委員会による研修会が年4回行われています。

 今回の職員研修テーマは「虐待防止・権利擁護~法人の取り組みの理解を深める~」とし、法人施設の全職員を対象に、22名の職員が出席しました。

 昨今、さまざまな分野での虐待のニュースを目にする機会が増えました。釧路愛育協会では、この社会問題を重く受け止め、利用者さんや職員を守るため虐待の未然防止に日々取り組んでいます。


 和田敏幸理事長より開会の挨拶がなされ、前半は各施設の虐待防止責任者より施設の取り組みの発表がなされました。

 


 高齢福祉・障がい福祉・児童福祉、それぞれの分野で、虐待を防ぐためにはどのようなことを行っているのか、具体例やエピソードを含めて発表されました。


 高齢者施設を運営している長生園グループからは、虐待防止・身体拘束廃止委員会の開催、年2回の職員研修の実施、不適切ケアや虐待についてのアンケートを実施しており、チームで虐待の芽を摘む施設をめざし、自身の振り返りをする機会を定期的に設けていることなどが伝えられました。


 障がい者施設を運営している鶴が丘学園からは、虐待防止委員会設置要綱の内容や責務について、またセルフチェックシートの活用や、鶴が丘学園が取り入れている「ニコリほっと」(ヒヤリハットをポジティブにしたもの)でのエピソードを交え、実際に学園で行っている取り組みを伝えていただきました。素敵な関わりが増えれば不適切な関わりが減る、という言葉がとても印象的でした。


 同じく障がい者支援施設を運営しているひかり自立支援センターからは、措置制度から現在の契約制度の転換に伴う時代背景の移り変わりや、利用者さんと事業者は対等な関係であること、虐待につながる不適切な声かけの具体例などがとても分かり易く説明されました。

 相手の捉え方ひとつで虐待に繋がりうるということ、それらを未然に防ぐためにも、物事をやわらかく伝えることで、行動も自然と優しくなるのでは…という言葉が印象的でした。


 認定こども園を運営しているかしわ認定こども園からは、子ども1人ひとりの人権・人格を尊重する保育のため、職員間における認識共有の徹底やセルフチェックシートの活用、また職員間において「言い合える関係性」を築くことに力を入れていることなどが話されました。不適切保育について、これはどうなんだろう?ということは多々起こり得る、声があがったら都度話し合われる場を設けていることなど、子どもを守るための様々な取り組みが発表されました。


 同じく認定こども園を運営しているあいこう認定こども園からは、施設での虐待が起こる背景として、職員の認識不足や職場環境が要因となるのではないかということが話されました。不適切保育は多岐に渡り、虐待がニュースで取り上げられた保育園でも独立した人格を考慮するよう理念が掲げられていたはずだと。子どもと職員を守るために、不適切な保育に関する認識を職員間で共有すること、伝えあえる・受け止め合える関係性の構築、セルフチェックシートを活用した自身の振り返りなど、様々な取り組みが伝えられました。


 また、高齢福祉統括長・障がい福祉統括長・児童福祉統括長3名のアドバイザーより、各施設における虐待防止についての取り組みへのアドバイスをいただき、愛育協会が理念として掲げている「その人らしい尊厳のある暮らしの実現」へ向けて、人格を傷つけること・虐待は絶対にしてはいけないということを改めて再確認させていただきました。



 後半はグループに分かれて実際にセルフチェックシートを使用した振り返りを行い、またグループワークで話し合う内容もそれぞれグループごとに決めていただきました。

 


 グループワークではとても活発な意見交換や課題提起がなされ、多職種の様々な視点から虐待防止に関わる議論が行われました。
 グループによって課題として挙げられる内容が多様で、分野が異なる他施設での取り組みを自分の施設でも実践してみたいという声もあがり、今後の虐待防止への取り組みに活かせるとても有意義な研修会となりました。


 最後に、社会福祉統括長である髙橋功成常務理事より、
「他施設の職員と1つの問題に向かって話し合う場となり、この場でしか得られない意見がたくさんあった。不適切のボーダーラインが人によって異なることや、解釈や認識に債が生まれている。自分はしていないと思うことが1番怖い。そのためにこうして皆で学びを繰り返し行っていくことが大切であり、今日この場で話し合われた他施設での良い取り組みなどを取り入れながら、虐待を絶対にしないという決意のもと全職員で取り組んでいきましょう。」とお話をいただきました。

 田仲児童福祉統括長からは、「人として生まれたのだから、みんな幸せに生きていいんだよという根本の認識をもち、お互いに伝えたいことを伝えられる、そういう協会になってきたなと感じ嬉しかった。」とお話をいただきました。


 和田敏幸理事長からは、「虐待についての問題は待ったなしのテーマであり、継続して取り組んでいかなければいけない課題である。その人らしい尊厳のある暮らしをめざして、常に自分へ問いかけながら継続していってほしい。」という言葉をいただき、出席した職員や発表者を含め、全員が改めて虐待防止への意識を高める大切な機会となりました。

 今後も全員でこの問題に取り組み続けていきたいと思います。




2024年9月5日木曜日

あいこう認定こども園 落成記念式典


 当協会施設である【あいこう認定こども園】の改築工事が無事に完成し、9月4日(水)に落成記念式典および内覧会が執り行われました。

 改築工事に携わって下さいました企業の皆さまをはじめ、釧路市こども保健部こども育成課さま、釧路市立愛国小学校校長先生、あいこう認定こども園保護者と職員の会会長さま、千代田愛国町内会さま、市内の保育園・認定こども園の園長先生、そして当協会役員の皆さまをお招きし、あたたかな雰囲気の中たくさんの方々に見守られ、この日を迎えられたことを大変嬉しく思います。


 落成式の締めくくりとして、あいこう認定こども園ひまわり組(年長児)の皆さんが2曲の歌を披露してくれました。城山の仮設園で園生活をおくりながら、新しくなる園舎の完成を楽しみにしていた園児たち。この日初めて新園舎を訪れ、これからの新園舎での園生活に期待をふくらませ元気いっぱいにうたってくれました。

 また9月7日(土)には、あいこう認定こども園の卒園児や保護者の皆さま、そして地域や一般の方々へ向けた内覧会が行われました。会場には300名を超える方々が足を運んで下さり、とても賑やかな内覧会となりました。
 たくさんのご来場をいただき、本当にありがとうございました。

 新園舎は9月17日(火)の開園予定となります。子どもたちがどんな風に興味を示し、どんな遊びを見つけてくれるのか、今からとても楽しみです。

 この度の改築工事にあたり、たくさんの方々のお力添えをいただき心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。


2024年8月1日木曜日

  社会福祉法人釧路愛育協会では法人研修委員会が組織されており、社会福祉制度や社会問題の変化に伴い、福祉施設職員はこれまで以上に幅広い役割・スキルが求められていることから、職員の資質向上および職員の職場定着を目指すことを目的として、法人職員へ向けての研修が毎年行われています。

 令和6年度総合テーマを「一人ひとりの愛を育み、幸せな福祉を未来へ~愛育協会が持つ真心の継承~」とし、【新任職員研修会】【幹部職員研修会】【専門職員研修会】【職員研修会】この4本柱で構成されています。

今回の研修会では、入職3年未満の職員が対象となる〈第1回 新任職員研修会〉が実施され17名の新任職員が出席しました。

 研修委員の司会により開会宣言がなされ、和田敏幸理事長より開会の挨拶が行われました。和田理事長からはまず職員に向け、日頃より感染症対策や人材確保等困難な状況が続く中、多大なる尽力に敬意と感謝を伝えたいというお言葉や、髙橋常務理事の北海道DWATによる活動として、能登半島被災地支援活動への激励、そして法人研修会の開催趣旨の説明などがあり、参加者一同興味深く聞き入る様子が見受けられました。

講演Ⅰ 「釧路愛育協会の軌跡」


講演Ⅰでは髙橋常務理事を講師に迎え、大正13年から続く釧路愛育協会の歴史について学びました。時代の移り変わりとともに様々な困難を乗り越え、地域の人々を支え続けて来た先人の方々や、現在に至るまでの重要な出来事や転機について具体的なエピソードを交えながら説明してくださいました。

 講演が進むにつれ、釧路愛育協会が地域社会に果たしてきた役割や、未来に向けて当協会が目指すべき方向性などが語られ、参加者たちの関心を引きました。

 最後に髙橋常務理事は、常務理事自身がとても感銘を受け大切にしている言葉として「それぞれの時処位において衒うことなく、誠心誠意、目の前の現実に向き合い研鑽し続ける」という言葉を私たちに向け伝えてくれました。「これまでも苦しい状況の中、みんなでこの法人を作って来た。この先も支えてくれた人々の期待に応え高みを目指して行こう」と語られ、参加者は深く頷きながら、その言葉に真摯に耳を傾けていました。


講演Ⅱ 「法人職員としての心構え~わたしたちの目指すべきもの~」


 続いて講演Ⅱでは和田理事長を講師に迎え、新たに入職された職員へ向け、社会福祉を取り巻く制度や釧路愛育協会の経営理念・方針・体制などについて学びました。法人研修会では3つの分野(社会福祉・障がい福祉・児童福祉)で働く職員が集まりますが、どの職種・どの立場の職員においても通ずる部分となるので、少しでも今後の参考になれば幸いだと話されました。

 講演の中で、和田理事長自身の様々な現場での経験や知識を共有しながら、具体的なエピソードとともに利用者さんへ接する際の様々なアプローチ方法や、職員間においての信頼関係を深めるコミュニケーションスキルについても話され、参加者の中には熱心にメモを取りながら興味深く耳を傾ける職員の姿が多くみられました。

 また、かしわ認定こども園の園長先生をしていた頃や、現在園長先生として在職されている鶴が丘学園でのエピソードなども交え、利用者さんにいつも助けられており、人懐っこさや笑顔・挨拶にとても元気を与えられていると話されていたのがとても印象的でした。

 最後に和田理事長は「その時代その時代の大変さがありそれは今後も続いていくが、地域への恩返しとともに、利用者さん一人ひとりの想いを実現できた時の支援員としての喜びを実感できた時に感じる充実感は何ものにも代えがたいものである」と話されました。和田理事長の言葉は、会場に集まった全ての人にとって改めて支援の意義と使命感を再確認する良い機会となりました。

 


 研修会の最後には参加者全員が一人ずつ、自己紹介と研修会の感想を発表していきました。参加者からは「こんなにも長い歴史があることに驚いた」「釧路愛育協会に生涯をかけて尽力された方々の意思が今現在も受け継がれている事に感銘を受けた」など、自らもこの歴史ある協会の一員として貢献したいという意欲を新たにする者も多かったようです。

 今回の研修会が参加者にとって有意義なものとなり、今後の活躍に活かされることを期待しています。

2024年6月27日木曜日

釧路愛育協会News開設のお知らせ

  社会福祉法人釧路愛育協会は、高齢者福祉、障がい者福祉、児童福祉の3つの分野の福祉施設を運営しています。

ここでは、各運営施設や法人本部からのお知らせ、告知、行事の様子などをお届けしていければと思っております。

どうぞよろしくお願いいたします😊

釧路愛育協会・長生園・武佐の里・ひかり自立支援センター・鶴が丘学園・あいこう認定こども園・かしわ認定こども園